
おじさんのポッドキャストが意外と
お姉様方に聞かれてるらしい
見慣れたはずの画面に、覚えた違和感

いつものように、ポッドキャストの分析画面をチラリと覗いた。
特に何かを期待していたわけではない。
ただの、なんとなくの確認作業のつもりだった。
けれど表示された数字を見て、思わず二度見してしまった。
以前は、45歳以上の男性リスナーが、圧倒的な割合を占めていたはずだった。
年相応の落ち着いたトークを、同じ世代の「おじさん」たちが聴いてくれている。
そんな構図に、すっかり慣れ親しんでいたつもりだった。
けれど今、画面に映っているのは、まったく違う分布だ。
35歳から44歳の女性層が、いつの間にか大きな割合を占めるようになっている。
「うちの番組に、何が起きたんだろう」
思わず、そんな独り言が漏れた。

語りかけていた相手が、すり替わっている感覚
不思議な感覚だった。
これまで、自分の中では、なんとなく「同世代のおじさん」に語りかけているつもりで、言葉を紡いできた。
夜の静けさに寄り添うような、落ち着いたトーン。
年相応の話題選び。
そうした要素は、あくまで「おじさん」という仮想の聞き手を思い描きながら、選び取ってきたものだった。
けれど実際には、まったく想定していなかった層の人たちが、その言葉に耳を傾けてくれていたのだ。
まるで、手紙を書いていた相手が、いつの間にか、まったく知らない誰かにすり替わっていたような。
そんな不思議な感覚
少しだけ戸惑う
けれど、その戸惑いの奥には、なんとも言えない面白さも同時に存在していた。
おじさん向けの話にお姉様方はどう受け取るのだろうか?
属性という枠組みの、頼りなさ

考えてみれば、リスナーの属性というものは、こちらが完全にコントロールできるものではない。
どれだけ「この層に届けよう」と意図して言葉を選んでも、実際に耳を傾けてくれる人がどんな属性を持っているかは、蓋を開けてみるまで分からないもんだ
45歳以上の男性から、35歳〜44歳の女性へ。
この急激な変化は、こちらの意図とはまったく無関係なところで起きている。
だとすれば、属性という枠組みそのものに、あまり執着しすぎない方がいいのかもしれない。
「この世代に向けて」「この性別に向けて」という前提を、手放してもいいのかもね
こだわりすぎも良くないしね
淡々と、独り言を積み上げていく
結局のところ、大切なのは、誰に届いているかを正確に把握することではないのかもしれない。
自分の内側から自然に湧き上がってくる言葉を、丁寧に紡ぎ続けること。
その言葉が、想像もしなかった誰かの心に触れる瞬間があるのなら、それだけで十分に意味のあることなのだと思う。
見知らぬお姉様方が、なぜこの番組に耳を傾けてくれるようになったのか、正直なところ、その理由はまだよく分からない。
けれど、その理由を無理に解明しようとする必要もないし
ただ、これまでと変わらず、静かな独り言を、淡々と積み上げていく。
その先に、また誰かの境界線に触れる瞬間が、きっと訪れることを信じて。。。
ぽつりぽつりと今夜も言葉を紡いでいくだけ
想像もつかない場所に、届いている

自分の放った言葉が、思いもよらない誰かの日常に、そっと入り込んでいる。
相変わらず、不思議な感覚である。
その事実は、少し不思議で、そして同時に、とても温かい発見でもある
リスナーの属性が、これからまたどう変化していくのか、分からないし
けれど、その変化を恐れることなく、むしろ面白がりながら、これからも夜の時間に、静かな言葉を届け続けていけたらいいな
見知らぬお姉様方にも、これまで通り、心を込めて。
見知らぬおじさんにも、日常の些細なことを切り取って伝えていく。
そして、まだ出会っていない誰かにも、いつかこの声が届くことを願いながら。


