最高気温40度。
ちょっとおかしくないですか?
もはや、外出ですらない

隣町まで、自転車で買い出しに出かけることにした。
ただそれだけの、いつもと変わらない用事のはずだった。
けれど玄関を出た瞬間、その考えは、あっという間に覆された。
肌に触れる空気が、もはや「暑い」という言葉では足りない領域に達している。
まるで、熱を持った壁の中に、身体ごと押し出されたような感覚だった。
これはもう、単なる外出ではない。
ある種の、小さな遠征のようなものだと言った方が近い。
完全武装という名の、生存戦略

出かける前、いつも以上に念入りに準備を整えた。
サングラスをかけ、日差しから目を守る。
つばの広い帽子を目深にかぶり、頭部への直射日光を遮る。
そして首筋には、保冷剤を仕込んだアイスノンをぐるりと巻きつける。
数年前までは、ここまでの装備で外を歩くことなど、想像すらしていなかった。
日傘一本あれば、十分だと思っていた時代もあった気がする。
けれど今の暑さは、そうした牧歌的な対策では、到底太刀打ちできない。
サングラス、帽子、アイスノン。
まるで小さな鎧をいくつも重ね着するように、身を守る道具を一つずつ身にまとっていく。
その姿は、もはや買い物客というより、過酷な環境に挑む探検家に近いのでは?
歪んでしまった、日本の夏
ペダルを漕ぎながら、ふと考える。
これほどまでに完全防備をしなければ外を歩けない夏が、いつからか当たり前になってしまった。
子どもの頃の夏は、もう少し違う質感だったはずだ。
セミの声を聞きながら、麦わら帽子を一つかぶるだけで、平気で外を走り回っていた記憶がある。
けれど今のこの暑さは、明らかにその頃とは種類が違う。
命の危険という言葉が日常茶飯事になった。
決して大げさではないほどの熱量が、街全体を包み込んでいる。
このまま毎年、暑さが増していくのだとしたら、いずれサングラスやアイスノンすら物足りなくなってしまうのではないだろうか・・・。
たどり着いた先の、ささやかな戦果

隣町の店に着き、必要なものを買い揃え、再び自転車にまたがって家路につく。
帰り着いたときには、全身がじっとりと汗ばみ、明らかな疲労感が身体に残っている。
この過酷な暑さの中を、無事に往復できたことに自分自身へのささやかなご褒美も買ってきた。
お寿司とビール
キンと冷えたグラスに注いだビールを一口飲むと、身体の芯にこもっていた熱が、すっと引いていくような感覚があった。
新鮮な寿司をつまみながら、今日という一日を、ようやく労うことができた気がした。
安住の地へ、戻ってくるということ

過酷な暑さの中に出て行くことは、もはや避けられない現実だ。
けれど、その過酷さから帰ってきたときに、自分をどう労うか。
冷房の効いた部屋で、冷えたビールと美味しい食事を用意する。
そのささやかな凱旋の儀式が、明日への活力を、静かに蓄えてくれる。(大袈裟だけどね)
外の世界がどれだけ過酷であっても、帰ってくる場所さえきちんと整えておけば、また次の一歩を踏み出せる。
この夏も、完全武装で外の世界に挑みながら、帰るべき安住の地を、大切に守っていきたいと思う。
これだけ暑いと熱中症に誰だってなるよね。いのちだいじにだよ、マジで


