
小さな違和感の正体
気づいたら、スマホの画面が少しだけ、騒がしくなっていたようです。
夜のアトリエで、なにげなくスマホを手に取り、ホーム画面を眺めていたときのこと。
いつもなら1ページ目で完結していたはずの画面を、横にスワイプすると2ページ目が現れました。
そこには、ぽつんとフォルダがひとつだけ。
その光景が、なんだか妙にしっくりこなかった。
まるで、きれいに片付けたはずの机の脇に、いつのまにか書類が一枚だけ置かれているような。そんな、小さな、けれど無視できない違和感でした。
「しっくりくる」は、古びていく

1年以上前に、私はスマホの画面を整えたはずでした。
よく使うアプリだけを1ページ目に並べて、それ以外は削除するか、フォルダにまとめるか。
当時はそれがすごく心地よくて、「これで完璧」と思っていたのです。
けれど、時間が経つにつれて、生活は少しずつ変わっていきます。
漫画アプリをひとつ入れただけで、2ページ目が生まれました。
それを気にせず使っているうちに、気づけば「整えたはずの画面」は、もうしっくりこなくなっていたのです。
自分にとっての「心地よさ」は、ずっとそのままではいられない。
そんな当たり前のことに、改めて気づかされた瞬間でした。
AIに任せたい、けれど
最近、ふと思うことがあります。
「AIが自動で整理してくれたらいいのに」
スマホの画面も、部屋の片付けも、頭の中の考えごとも。
全部、誰か(何か)が代わりにやってくれたら、どれだけ楽だろうと。
けれど、そう思う自分に少しだけ苦笑いしてしまうのです。
便利なツールに頼りたい気持ちと、「自分にとっての心地よさ」を自分の手で作りたい気持ち。
そのふたつが、心の中で静かに揺れています。
結局のところ、自分の「しっくりくる」は、自分にしかわからないのだと思うのです。
AIがどれだけ賢くなっても、私の心の中の小さな違和感までは、きっと拾ってくれない。
新年に、空白を作る

だから今夜、私はスマホの2ページ目を削除することにしました。
漫画アプリをフォルダにまとめて、1ページ目に収める。
たったそれだけのことです。
けれど、画面に「空白」が戻ってくると、心にもすこしだけ余裕が生まれたような気がしました。
新しい年が始まって、まだ数日。
今年は、自分にとっての「空白」を大切にしていきたいと思います。
詰め込みすぎないこと。
ほんの少しの余白を、意識的に残しておくこと。
そうすることで、心にゆとりが生まれて、また新しい何かを招き入れることができるのかもしれません。
スマホの画面を整えることは、心を整えることに似ている。
そんなことを思いながら、静かな夜は更けていきます。



