初めて、Kindleで漫画を購入した。
普段は、紙の本で読むことの方が多いのに。

文庫サイズの画面で感じた、小さなもどかしさ

漫画を読む時には基本的に紙で読みたい派のわたしですが、
今回は珍しく電子書籍という選択をしてみた。
いつもの流れで、手持ちのKindle端末を開き、読み始める。
画面は文庫本ほどの大きさで、表示されるのは一度に1ページだけ。
文字中心の本なら、何の不満もない。
けれど漫画となると、読み進めるうちに、じわじわと違和感が積もっていく。
何かが、伝わってこない。
ページをめくる指は止まらないのに、物語の熱量だけが、手前で薄まってしまうような感覚があった。
わたしだけ?
見開きという、もう一つのコマ
その違和感の正体は、見開きのときに顕著だった。
漫画には、2ページにまたがって描かれる、大きな絵がある。
人物の表情、広がる風景、一瞬の静止。
見開きでバーンっと大きく開かれたワンカット。
たまらないよね。
そうした見開きは、言葉で説明される前に、絵そのものが直感的にメッセージを届けてくれる。
けれどKindle端末では、その見開きが、1ページずつに分断されてしまうのよ。。。
片方のページを見て、次のページを見る。
そのわずかな間に、作者が込めたはずの衝撃が、静かに削がれていくような
絵で語る作品だからこそ、この差は思っていたよりもずっと大きかった。

27インチのモニターに映してみた

そこで、ふと思いついた。
自宅のパソコンの、27インチのモニターで読んでみたらどうだろう?か、と。
(ってかパソコン端末でkindle開けるのか?)
半信半疑のまま、ブラウザで同じ作品を開き、見開き表示にしてみる。
その瞬間、思わず息をのんだ。
画面いっぱいに、2ページ分の絵が、1枚の絵として立ち上がる。
27インチの画面いっぱいに広がる壮大な絵。
迫力がまるで違う!
遠景の細かな描き込みや、人物の表情の微妙な陰影まで、はっきりと目に飛び込んでくる。
文庫サイズの画面では、気づけなかった線の1本1本が、そこにはあった。
作者が込めた情報の量を、ようやく受け取れた気がする。

「紙派」だからこその発見

わたしは、どちらかと言えば、漫画は紙で読みたい派だ。
ページをめくる手触りや、本の重みも含めて、漫画を味わう時間だと思っている。
だからこそ、電子書籍には、どこか距離を置いていた。
けれど今回、大きなモニターで読むという形に出会って、その考えが少し変わった。
紙とは違う魅力が、そこにはある。
画面の明るさと大きさが生む迫力は、また別種の読書体験として、確かに成り立っている。
紙と電子、どちらが優れているかという話ではなく、それぞれに、向いた読み方があるということなのだと思う。
環境を変えるだけで、解像度が変わる

外出先で読むなら、iPadのような大きめのタブレットが、候補に挙がるのかもしれない。
ただ、それなりに値の張る買い物なので、今すぐに決める気にはならない。
当面は、自宅の大きなモニターで読むスタイルを、楽しんでいくのもありだよね。
同じデジタルの作品でも、どの画面で読むかによって、受け取れるものの量が、これほど変わる。
作り手が込めた情熱は、こちらの受け取り方の環境次第で、解像度が大きく変わってしまう。
作品との出会い方を、少しだけ丁寧に選ぶこと。
その小さな工夫が、読書の時間をもっと豊かにしてくれるのだと、今回あらためて気づかされた気がするね。



